出征兵士を送る歌で開幕する舞台は、42歳になった男が隣保班の人たちに見送られて出征する。
その隣保班長、鳥山一家は栄吉夫婦、出征中の長男の妻、その子、三男二女の兼業農家。ないないづくしの当時の嘘のような不自由な暮らし。
防空壕の中での毎日。昼夜関係なく警報のサイレンで住民はゆっくり眠る事も出来なかった。
鳥栖空襲の当日、久留米がやられた直後別の編隊が鳥栖に飛来し、鉄道・日清製粉・藤木の高射砲陣地などが、三波の攻撃で修羅場と化した。
鉄道被害は軽微だったが、日清製粉と高射砲陣地は全滅、そのとばっちりで藤木・曽根崎などでは多くの住民が犠牲となった。
被爆した鳥山家の焼け跡。機関車がやられて家に帰って機関士の一夫は、ダブルパンチに驚きながらも再建への決意を秘める。
昭和天皇の玉音放送を聴く隣保班の人たち。デマにおびえて大八車で山中へ逃げる人も。
仮住まいの鳥山家の明暗。終戦間もない役場からの訪問者は、一家が待ち焦がれていた鳥山栄吉の息子、秀雄の戦死の公報だった。
そこへ、空襲のケガで入院中の長女妙子が退院、少年飛行兵の三男勇夫も復員して悲喜こもごも。
仏壇の前で再起を誓いあう兄弟たち・・・。