小倉祇園太鼓は長年見たかった祭のひとつであるが、今年ようやくその願いを叶える事が出来た。
小倉の八坂神社は小倉城の隣、内堀にある。
奥さんが絶世の美女だったと伝えられている細川忠興公が創建した八坂神社の祇園祭として行われる小倉祇園太鼓は福岡県指定無形民族文化財である。
素晴らしい。
私も鳥栖の夏祭りなどで太鼓を叩くが、太鼓の師匠であり、且つ鳥栖の歴史などにも知識が深く鳥栖の人間国宝である(指定ではないが)高尾某先生から常日頃言われていた「一度、小倉祇園太鼓を見ておきなさい。」
小倉祇園太鼓は数日に分けて行われるようだが、この日は共演大会なるものがあった。数十もの太鼓隊が小倉城から縦列で町中を練り歩くようだ。
それにしても各隊とも見事な衣装に目を奪われた。
色もの、柄ものなど、祭は目立ってナンボの精神が生きている。鳥栖山笠の衣装にもヒントが得られそうなものばかり。
太鼓は両面打ち、リズムは四ツ打で合方がそれに裏打ちを入れている。
叩き方や抑揚が上手い。経験者だからこそ分かる実感なり。
小倉祇園太鼓はそれぞれの山車に太鼓が載せてありその太鼓を打つ。悲しい事に太鼓が殆ど写ってない。
そういえば、鳥栖にて太鼓の練習中、敬愛する高尾某先生がついに発狂したか!?と思わせるような奇声を時折上げていた。
この発狂は小倉祇園太鼓を見て初めて分かった。「ア、ヤッサヤーレヤーレ!」小倉祇園太鼓のお囃子であったのだ。
シメは社にて奉納の太鼓。四ツ打ちのテンポを上げての打ち鳴らしに心が躍った。叩き手が交互に代わり打ちをするシーンは小倉祇園太鼓でも一番の見どころではないかな。
伝統と格式が付くものは素晴らしい、そして羨ましい。鳥栖市の祭並びに、鳥栖市民劇団にも伝統と格が付く事を願わんばかりである。