頃は元禄。この時代の文化は特に文学において優れ、西鶴・芭蕉・近松を中心として大きく華開いた。
田代領でも長崎から中央の街道を行き来する人々がもたらす情報をいち早く取り入れ、上層家庭では俳諧が盛んだった。
奈良田八幡宮の宮守りである寺崎平八延吉も俳号を一波と称し、この物語の主人公、妻・いとも紫白と号して元禄10年、すでに筑前博多の「染川集」に登場している。
この紫伯を中心として、戸惑いながらも俳諧を作ることに挑戦してみる農民達。そして元禄13年、紫白は日本で最初となる女性の俳諧撰集「菊の道」上下2巻を出版する。
撰集を出すに到り苦悩する志白を陰で支える家族達。
また、特別出演として熊本県清和村の人形浄瑠璃が上演された。