姿見の池

姿見の池 鳥栖市民劇団

左大臣の位を奪われ、大宰府に左遷された失意の菅原道真のもとへ、都から召使いの倉麿が戻り都の情勢を伝える。

 

秋、田代村と鳥栖村の子供たちが喧嘩をしている。昔からの人々が住む田代村と、浪人が開いた鳥栖村の大木川の水をめぐる対立。

 

正月、今年の大木川の水の配分を決める「印字打(石合戦)」が行われ、若者・笠沙の活躍で鳥栖村が勝つ。負傷した笠沙に駆け寄る田代村の娘・みゆき。みゆきを連れ戻そうとする田代の村長(みゆきの父)。

夕暮れ。田代の若者・虎丸と狩人・乾が笠沙を殺す相談をする。笠沙のもとへ急ぐみゆき。それを追う村長。物陰から見る虎丸。そこへ笠沙を射た乾が逃げて来る。乾を追ってきた鳥栖の村人の中に傷付いた笠沙がいる。田代、鳥栖の村人の対立が深まる。

 

夜。田代の男たちが乾の事で相談しているところへ火事の知らせ。燃え盛る炎、乾が鳥栖の男を捕えて来る。乾が捕らえた火付けの犯人をめぐって、田代と鳥栖の人々の対立が激しさを増し、ついに両方の村人は合戦の準備をする。

 

春。ほころび始めた梅の下、父・菅原道真を待ちわびる長寿丸。末子の長寿丸を隠した村里へ大宰府から忍んで会いに来る道真。

笠沙とみゆき、道真に田代、鳥栖の対立の解決を願い出る。道真の立ち合いで「盟神探湯(くがたち)」による裁判が行われ、すべての真実が明らかになる。結ばれた笠沙とみゆき。悔い改めた虎丸と乾。村人たちに長寿丸の行く末を託し、長寿丸に水に映る自分の絵姿を残し去っていく道真。

菅原道真を祀る新しいお宮「水影神社」の祭り、踊りの輪が広がる。にわか雨、雷鳴、稲光の中に菅原道真の幻を見る村人たち・・・・。