第30回鳥栖市文化祭。
平安時代の天歴年間、鳥栖地方は、相次ぐ風水害で村人達は苦しんでいた。たまたま諸国行脚中の青年僧、隆信沙門(りゅうしんしゃもん)は、お京一万部を読経して人々の苦しみを救おうと、ひとり山中の草庵にこもる。ようやく九千部の読経が過ぎたころ、竜神の使いの白蛇が魔女に姿を変えて沙門の庵を訪ね、沙門はその誘惑と戦うが殺されてしまう・・・。
満願の日、草庵を訪ねた村人たちはその死を悲しみ墓と経塚を建て、その山を九千部山と呼ぶこととした。さらに日照りが続き、村の評議によって九千部山で雨乞いの千把焚きをすることになった。庄屋の娘カヨには縁談があるがそれも秋の収穫の後に延期、千把焚きの効果は待望の慈雨となり村人達は大喜びで踊り狂う。晴れて庄屋の娘の嫁入りとなり、たんす長持唄が秋空に響き渡る。